シチズンサイエンスについて
気象研究所では、
シチズンサイエンスによる降雪研究「#関東雪結晶 プロジェクト」が行われています。
首都圏では冬季に南岸低気圧と呼ばれる
本州南岸を通る低気圧が接近するときに雪が降ります。
ところが、首都圏の降雪予測はとても難しく、
予測精度を向上するために雪を降らせる雲の実態を解明する必要があります。
そこで、このプロジェクトでは雪結晶を用いた解析に取り組んでいます。
「雪は天から送られた手紙である」(物理学者・中谷宇吉郎博士)という言葉があります。
これは、雪結晶はその結晶が成長する雲の中の気象状況によってその姿が変わるため、
地上に舞い降りてきた雪結晶を観察することで雲の特性がわかるというものです。
代表的な雪結晶
これまでは研究者が個人で観測を行っていたため、
雪結晶観測も点でのデータになっていました。
そこで、このプロジェクトでは市民参加型の研究手法(シチズンサイエンス)を導入し、
市民のみなさまの協力で点でのデータから面でのデータが得られるようになりました。
雪結晶データは、首都圏に雪を降らせる雲の実態解明に加え、
雲の監視・予測技術向上の研究に活用されています。
「空ウォッチ」は天気や大気現象などを観測・共有するためのツールです。
特に降雪現象については、雪結晶画像のほか、雪結晶の種類や積雪状況などについても、
効率的に情報収集・表示ができるようになりました。
これにより、さらに気象研究が進歩することが期待されます。
一方で、全国のいろんな空を見て楽しんだり、観測に参加することで、
気象学に対する興味や理解が深まります。
このような科学リテラシー向上もシチズンサイエンスの大きな役割のひとつです。
ぜひ「空ウォッチ」を使って、充実した空ライフをお送りいただければ幸いです。